泉流No.9 雪の道

* 雪は朝  車道も歩道も  ヒトのみち
〔付け足し〕前月終頃の大雪が過ぎて後、この1週間ほど降雪を見ない日が続く。
時折雨は降るが、一日続くことはなく、星が出ていたりするから、これもまた珍しい好天続きであるのだ。
好天は、他方で放射冷却を招くから、通学する児童たちは大変だ。
空から新たに付け足される雪ばかりが雪ではない。この1週間雪掻きならぬ、雪払いを家の周りでし続けながら、子供達の苦労に心を痛めていたのである。
雪払いも雪移しも、高齢者には結構負担だから、通学路の偵察に出かけるような軽率なことには容易に着手しなかった。
だが、好天に誘われ3日ほど前、散歩を兼ねた食料買出しに出かけたのであった。
その時の実に疲れ果てた感じが、冒頭の駄作から伺えないのが口惜しい。
ロードサイドの田んぼは、全面に白いままだ。
車道だけがかわかわに乾いている。クルマが埃を撒いて走っているのだが、通学の児童たちは、行き帰りともにクルマに混じって、その道を歩くのだ。
何とも嘆かわしい限りだ。
通学路は,指定されている。両側歩道付きだ。
歩道の雪の塊の上を歩いた痕跡はまったく無いが、車道を歩くことに心穏やかでない老人は、歩道にトライしてみた。
大抵の乗用車の屋根が見渡せた。固ユキの上は、大人の体重を概ね支えるが、でこぼこもあって、とにかく怖い。
故無く身長2メートル超えの老人になるのでは、恐ろしくて散歩にならないのであった。
車道を歩く老人を労ってスピードダウンしそうなホクリクのドライヴァーは、皆無であった。
老人と粗大ゴミとは、この地でも同じに扱われて久しい。
さて、我身は散歩を取りやめれば済むことだから置いといて、将来の国を担う子供達の心中を思った。
近郊住宅化が進む当地の歩道付きの大道は、近年に新設された道が多い。よって、概ね地下水利用の地上に水を流さない方式の融雪道路化がなされている。この手の大道は、24時間を通じて降雪しきりで見透しが効かない日中でも、車道の上に白いものはほぼない。
何故、車道だけをそうして、平行設置の歩道にはそうしないのだろうか?
行政の発想は、歪んでいると想う。歩くものを
掃き出して当然と考えているのだろうか?