No.44  オレギャット  田植えは昨日  きょう葬儀


〔自註〕 月が変って、急に夏が来たようだ。つい先週まで暖房を必要としていたが。昨夜など室内温度が30度近かった。
四季があることは死期に通ずるか、これは音声が同じなだけでなく、ちゃんとした合理的背景もあるな。身の廻りの環境激変、特に温度変化は、精神的にも肉体的にも負担、間違いなく死に近づくようだ。
落日後に窓をあけて外気を取り込んだ。およそ半年振りのアクション、うーん、網戸が必要だぞ、明日にしよう。それでなくとも、あれもこれもやるべき事が立て込んでいる。暑さが急に来ると、身の回り・家廻りが一挙にブーイングだ。身体が持たないぞこりゃ、、、
一息おいて気がついた、うるさいのだ。そりゃ、窓を開ければ空気も入るが、そうよ、空気に乗って騒音もやって来る。
眼の前は田んぼ、カエルの声だ、
昨日も聞えたが、今日はその数倍だ。そう言えば、水田オーナーは昨日一日で田植えを終えたのだった、機械が入ったから、きっと犠牲になった蛙もいただろう、田植えの当夜は身内だけの通夜をしめやかに、今日は一転して盛大な葬儀とあいなったか?
葬儀では、読経僧も随分増やしたようだ。袈裟も要るなあ、あれ、カエルに肩があったっけね?
あそうそう、ギャットと言うのは、ヒョウズン語で書けばカエル。お国訛りはクニ(故郷)手形とも言い、ものの名にも地域差が、蛙も土地により、ビッキ、ゲット、ギャワズなどなど、、、呼び名はさまざまじゃけえ。
あついでに、オレの方も説明しておきます。スペインに旅すると闘牛場が定番?そう、あの掛声、無理に翻訳すると「がんばれ」かな?これも地域によっては、赤い声で「けっぱれえ」などと怒鳴られる、、、
ここでタンゴの『オレガッパ』なんどを連想しないことが肝腎だわ。
なんたって、ギャット・フィールドは、田んぼだで、タンゴなんぞでは決して、ねえ。
以下は蛇足 ? =冒頭から蛇足だべえよとの声あり ・・・そうだ足は、蛙にも、その子のオタマジャクシにも、あるんだった
カエルは、生き返る、無事帰る、先祖還りなどなど悲喜こもごも?だが、我家の前は一面田んぼである。だすけ、蛙サマは眼交わし挨拶はしねえが、耳近所サマではある。
当地ではゴールデンウィークにゃ田植えが終る。始まりは、あちこちでぽろぽろだけんど。サラリーマン主業の農家は、連休に集中して一挙にやるもんで、ゴールデンウィークが終ると、一斉に田植えが終った状態になるだ。
田植えは、稲作の年間スケジュールの中でも、稲刈りと並んで最重要の仕事だずら。タイランドやヴェトナムと違って、年1回しか穫れないから、いっちゃん重い。
田植えには、事前準備作業がある、直前1週間前くらいから一面に水を張る、
それを見た孫娘が、ひとコト 「海ダア」、、、
GWの始め頃、首都圏から娘に伴われて来た孫、2歳半ともなるとほとんど人語を解し、思わぬことを知っている、時に発する短い一言は鋭い。
ダイヤ針  ぐさりともせず  突き刺さる