メゲーヌこく訪滞記より

第3話
クルマの話しば、続くんでごわす。
グーリキは、しんばらくの間、見えのうなった。そいでも、時々ばは、本ニャラット現れて、オラの前で、ぐしゃっと笑うだば。
「おみしゃん なんば、しちょるとお」 オラ言うただ。
「クルマ造りは、ちょおんびし、休んで。今ひゃあ、専ら、口グルマに載せとる」
オラ「なんに言うだ、ちいとも、判りもへんぞやあ」
「グーリキは、食うに困ってだば、イヤミシェンシェが来たな。どうでん、よかこたあ、ぐしゃぐしゃ、クッちゃベってだな。んだども、俟つべし、待てば、海路の日和かにゃあ。と。ええごど、たまに言うべよ。そいで、グーリキは、決心したちゃ。クルマ造りを少し休むド。いずれ再開まで、持ちクルマを売るべしよ。中古車どば、違うゾイ。古えのを、仕入れで来でも、右からヒンダリに横流しは、じぇってえ、さねど。売れるまで、じゅっくり、乗ってがら、アンベコ、すっかり、見抜いて、しっかり直しちゃあ。そいでよお、ずんばり調整スルッチャ。したば、売ってケロ、ネホン衆が、来るから。買ってもろうんダシャ。なそいで、グーリキ夫婦は、なんとか食ってるぞ。」
オラ、それ聞いて言うた。「なにば、ハンカ臭えごど、くっちゃべらあや?」
したば、グーリキ言うたなあ。堂々の寄切りやったなあ。「不要な物は売れねえちゃあ、必要なものばあ売れるゾイ。これば、イヤミシェンシェの口癖だんべえ。グーリキはそこで、売ろうとすることを控えたちゃあ。1台しかニャア、クルマこ、売ってけれ、そっつらこと言って、ネホン衆が、買いたがる。んダベ、世界中捜したて、他にねえがらよ。そいでにゃあ、グーリキは、ずぶんで値段は付けんぜえ。ネホン衆さ言うだば、オミシャアンで、値段こ、決めてけさい、ってちゅうだ。売渡価格は、グーリキの首の揺れる方向が決める。そいがら、代わりのクルマこ、仕入れさ、エグがらやあ。3日程、待ってクンロ、と言うちゃ。大概のネホン衆は、大枚の手付金ば、置いて行くなあ。代車の仕入れは、駱駝だしゃ(=楽だ)。グーリキどグーリキのカカはにゃあ、んめえメシ食える、ちゅうコッダアニャ」

ぼうっと過ぎた。オラは、ベートに、出会った時に、こん話しば、すっかり、売ってしまったにゃあ。
ベート曰く「メゲーヌは、道路が、よぐねえがらなあ」ど、、、
続けて「モノ売るのに学問アルドよ、マーケッティングちゅうだがや? 和製英語かもよお、、、、」
ベートは、主婦だがんなあ、結構ドメスティックちゅうもんは、忙しく、大変だあにゃ。詳しく、突っ込むニャア、シェンシェに限らあにゃ。
イヤミシェンシェは言ったニャ 「ドメスティックちゅうだば、ネホン語じゃ、家政学と訳すちゃあ。足のねえ方の、名訳だっちゃ。まあ、言うたら
執事のエコノミクス(=補注。ネホン語じゃ、経済学と訳す)だべえよ」
「マーケッティングちゅうたかや? 判らんなあ、不要な物を押込む研究じゃべし、まあ、無理して翻訳すっと、押売論だべし」
オラ言うた。「ロンちゅうたら、レーガンやったか、リーガんやったか、だべし」
「ちゃう、ちゃうっぺよ。論ちゅうたら、狭い所で、短い間に、成立する法則みてえなもんよ。まあ、言うたちゃあ、特殊な条件の下でのみで、
成立つこともあるようでも、体系にならんから、学とは言えん。この辺の区別は、シマグニでは、出鱈目だんがねえ。なんにしても、大陸がら、がさーっと、丸ゴド、慌て呑み、すっから、、、」「だけんど、マーケッティングだら、押売論たあ、泥縄に訳すづう、足の付いた迷訳だっちゃ」
「科学と技術も、そうだっちゃ。せめて、間に『・』を入れで。『科学・技術』ど書いで、大違いだどうと、注意喚起するべし。はなから4文字言葉だど、足の付いた迷訳?を丸呑みして、誤解するドンビャクショが、がさーっと増えて、ドバーッど広がって、行政庁の名めえこに、なったべよおん」
続けて。「ロンガソネーコンビとか、プッシュコイヅーコンビとか、かなりAHOな漫才崩れだべえ」
<こごで、オラは少し違ぶど、おもた。=こりゃ成立つは、ネホン州丞相の2人だけ。USAの方の2人。ロンさまは、よんさまと同じBクラス活動写真の星コダベッちょお。プッシュはかなりハンカクシェエ葬儀系油屋じゃあ>。
<どいつも、ゲールスキー<<=補注、フランス語で戦争かも?手中ー麻亜黄コの訳?による>>だっちゃ>
「漫才崩れのが、ゲールスキーどもばあ、出しゃばって来て、権力の座ににのしゃばり着ぐど、拙速当然で、崩れ乱れが銀座を闊歩するにゃあ」と言いつつ、イヤミシェンシェは、今日は、稀にょう、機嫌が、よかゴワンド。しかも、オラの好きなおこわメシ<=赤飯でしゅ>ば、まくらってけろや、とノタもうたのんた。
オラ「何んの、祝いダベし?」
「8年じゃあち、長がったちゃあ。今日で任期終了ち。人類のお祭りダッチャべし」 みるからに、ニコニコがきよ。
シェンシェ曰く。「メゲーヌは、道路が、よぐねえ。ど、ベート言ったちい」
「ふんだや」
「よぐ便虚<=補注。勉強が正しいネホン語だはあ、あれ!映ったかな?>してるなあよ。ネゲーのコクは、クルマに向かんぞい。高低差のあるヤマがちの土地やんけ。ンマが一番だっちゃ。そこんとこ、オラにゃ、判っかな?」
「AHOか?ど言う、眼えば、するんじゃあ、無かあよ。前から言うトルじょお。クルマたかだか百年。ンマは人類史以前からやあ」「歴史の浅いもんは、高低差に弱いし、何んにでもぶちゅからあな。いのちぞあるものは、死にまさっぞ。クルマは、まだまだ、未熟ぞい」
「おまんさあ、の眼えば。まだ、笑ッチョルゾ。グーリキは、さすがテクニシャンじゃ、こんところば、サパーット判ったきに。んだば、聞かッそえ。『相坂の 関の清水に 影見えて 今や引くらむ 望月の駒』 これは、拾遺集<=補注、しゅういしゅうNo.170の和歌>にある貫之の名歌じゃ。相坂は地名で、逢坂の関のこと、望月は信濃望月で、長野県の地名。駒はンマだっちゃあ。和歌と言って、ネホン州を素早く深く知るには、このゴシチゴシチシチに短く集約されチョル。名馬の産した信濃と甲斐は古い地名で、いずれも海が無い。高低差のある土地は、ンマに向いている。丸い輪のある乗り物は、ありゃあ、平地のもんで未熟じゃ。ンマはじゃじゃ馬が良いぞ。図う体がでけえのに、気が弱え。気が強いものは、優しいものよ。アイスランド産のンマは優しいとのことよのう」

オミしゃんにプウ
今日はこれまで