+<菅の岼アンソロジー7>
7、根子岳の西側斜面は、長く棚引いている。その裾の端が奥ダボス・スキー場となっている。上田市の東の山間にある菅平高原の一画だ。
 説明を要するのは、ダボスと言う命名だろう。往ったことがないので、旧真田町役場の刊行物に頼るとするが、スイス東部にあるスキーリゾートとして世界的に有名で、姉妹都市となっている。
その後、かの地は世界賢人会議を毎年開催するようになり、一層情報発信力を高めている。
 足元の菅平高原も夏の季節になると、避暑地として滞在人口が増加する。ダボスがスキーのメッカに対し、こちらはラグビーとサッカーのメッカとして、知る人ぞ知るスポーツ人にとっての軽井沢である。それに加えて近年は雪だるまのように、マラソン選手や学生管弦楽奏者による合宿指定地となるなど、求心力は年々拡大しつつある。
 オリンピックで名をなしたタカハシ・ノグチの女子ゴールド・メダリスト両人もかつて菅平の地でトレイニングしたことが知られている。この世界の草分的存在は,早足のアリモリただ一人であろう。
彼女が日本を去ってから練習滞在地にしたのは、チーム/タカハシと同じUSAコロラド州ボルダーである。アメリカ大陸の中央付近にあり、これもまた彼の国のリゾート地として高名だ。地図で見ると北米大陸の背骨ロッキー山脈に近い。
 以上3つの高地は、標高1,500 〜1,600メートルにあり、リゾート地であることも共通の要素だ。この3つを「ワールド・フェイマス・3<ダ>ハイランド」と詠んでいる。
 そうそう『さぶい」のもまた共通の話題と言えないこともないなあ。
 それはさておいて、菅平高原の眺望は実にすばらしい。原の中央付近には、尾瀬のミニ版と言える湿原があり、木の橋を歩いて地球創世記の景観を眺めることが出来る。湿原の周囲を高原野菜の耕地とスポーツグラウンド群が取囲んでいる。
 そして山の景観だ。目の前にある根子岳は花の百名山で、その隣に双子のように並ぶ百名山四阿山(=あずまやさん)があり、遠くに煙を吐く浅間山が見える。
 更に遠くの山を見たいと想う。浅間山とは反対方向にある信越国境の高山群を眺めたいのだが、未だにこの2つを一度に一望できるポイントを発見できないでいる。
散歩の距離を長くして2つのポイントを順次巡ることで浅間の噴煙を遠望し、少し移動してから妙高、黒姫など越後のほうの山々を発見することなら出来るのだが、、、、
 だがしかし、双方の天候が一致することは滅多にない。奥座敷に当たる越後の方の山は、奥ゆかしいのか雲に隠れていることが多い。
 あっちとこっちに分散するこの山を一望できるポイントを早く見つけたいものである。とは言っても、答はさして難しくない。大抵の人はまったく話題にも問題にもしていない。
 そうだ。目の前にある山の山頂に登れば、一挙に解決なのである。
 単にそれだけのことでしかない。だが、それでは答えにならない。だから、実現してないのだが、、、、かつて2度、最寄りの山 根子岳山頂を目指した。秋口だったが,途中の登山道で長いものが居て、巻かれることなく速やかに帰った。
 それはそうとして、散歩とは本来目的意識をもって頑張ってするものではない。頑なに思い込まないことだ。
 だから、ある時、図らずも、そのようなポイントに行き当るといいなあ、、、