+<菅の岼アンソロジー5>
5、高地の天気は、想いのほか不安定です。実に文学的な夢のある書き方をしたつもり、、、実のところは常に雨の降りやすい方向に不安定であって、その逆はない。冬なら雨か雪かとなりますが、仮にあっても好天へのはずれは話題にならない、ご存知でしょう。気象予報と宝くじの関係、つまり当たった時は静かに、、、、
 さて、真冬に玄関を出る時に,気を付けるべきは身の安全です。頭上の落雪と足元のユキの二つです。
 春から秋は,玄関前で先住民との遭遇と言うハプニングもありえるので、当然に身の安全のために気をつけます。この地は、リゾート開発する前は、森林原野の住人はクマやイノシシだったので、後から来たものは先住者に礼を尽す。トラブル防止に必要な「生きとし生けるものの掟」は、等しくすべての生物に及ぼされるもの。
 いささか脱線してよろしいかな? 人間さまは自らをカミ同等の位置に置きたがる傾向があり、動物の外におく例や自然に含めないと考えるケースがあるようです。信仰、信心はさておくとして、動物の分類に『霊長類」などと手前味噌のネーミングがあるのは、どうも科学的客観性を欠くように思えてならない。
 クマとかカモシカは、実際に見かけました。課題は、話せば判ろうものをとはいかないことにあるようです。彼らは人工のモノと自然由来のものとを区別して理解しようとしない傾向があるかも知れません。たまに道路のアスファルトの上で皮になりつつある姿を見かけると、道路の作り方が独善的かつ人間中心の我田引水に傾き過ぎだと思います。獣道に立体交差を設けるカナダに学ぶべきです。言葉を選んで、「エコノミーだが、エコロジーなセンスに乏しい」としておきましょう。
 さて、頭上のユキとは、降雪ではなく屋根から落下するかも知れない、『固くて重いユキ』のことです。正確に言うとユキではなく氷雪とか氷水と合体した雪のようなものかも知れません。
正体がよく判らない、それでいいとするライフスタイルが伝統的・仏教的素養を備えた理想に近い日本人像かも、、、、
 時に一日三回の雪掻きに精励する。それが実った春には、国家資格が授かる?それはないとして、でも、剣道・柔道の先例に倣い「雪なげ道」くらいはありそう。旅行代理店斡旋の体験ツアーがあるそうだから、早晩ウィンブルドンカップ団体・個人別が、 ウ! もうあるかな?
 玄関に向かうアクセス通路と屋根ユキの落下予定ラインとがクロスしない。これが降雪地域の住居の理想なのだ。理想とは現実がそうでないことの表記法の一つとか?
それにかの兼好法師も家は夏向きに建てよ云々とか、、、家元制度がさかんなこのクニでは、伝統の影響力の強さに脱帽しきり。
「雪なげ道」よりも「ユキ逃げ術」の修練に励み、危険を予知する能力を身につけるべきなのです。
 残りの注意事項、足元のユキとは何か?答は転倒注意、ではありません。正解は足跡注意です。散歩の目的地つまり雪原での観察行動のことではありません。それはまた将来のテーマとして詳細を述べますが、、、ここでは,玄関の前での心がけとして当面2つある。
 まずは、家の周囲にある足跡の点検です。雪に着いた足跡は、かなりよく保存されます。次の雪がドカンと降るまでは1週間や10日は残ります。風の通り道は別にして、えくぼの上に新雪がふわっと載っている状態が数度の降雪後も続く訳です。
家の周りに大型獣の足跡。幸いこれまで人間を含めて無かった。よかった。実によかった。
 もう一つ,何とそれは自分が着ける足跡、これが問題なのだ。夕べから降った新雪に、頓着なく勢いよく踏み出すと敷石の上に圧雪(=あっせつ)痕が出来る。これが除雪の障害になる。
雪道ドライブをした経験を思い出して下さい。圧雪痕は怖い。そこで新雪の朝は、散歩に先立ってまず通路の除雪を済ませる。圧雪状態になる前なら竹箒で払えば、一挙にあっさり片付きます。
朝飯前の雪掻きの極意とは、気温が上昇する前でしかも人が踏みつける前に済ませることにあります。雪掻き道免許皆伝です。そうそう「鉄は熱いうちに打て」と同じです。   
 気をつけるの、次のテーマは   木を見つけるです、、、