高尾山独吟百句 No.17 by左馬遼嶺

  ボタモチと  別れを告げる  春紀行
〔独吟呟語〕
今日は、春分の日である。メディアは、遠くの各地でサクラが開花したと知らせている。
当地はつい先日ころ半世紀に一度のスケールの大きな豪雪に見舞われた 。
ウメはもう咲いたが、サクラはいま少し俟たれよう。
ボタモチは、牡丹餅とも書く。
同じものが、オハギとする説もある。
それぞれの名を冠した花が咲く頃に因んだ呼び名であろうか?
ただこれは人によって、見解が異なるので、強要はしない。
地域により・家により・めいめいの考えにより、それぞれであってよいのではないだろうか・・・・・
他の何ものにも換えがたいオフクロの味であり・故郷の想い出なのだから、各人各様で当然なのである。
仏家にあっては、先祖と出会うことの出来る日でもある。
閑話休題
前立腺ガンなる病名が宣告されて、もう10年が経過した。
ほとんど悪くなっていて、あちこち病院を変え・Dr.を換え・自己流の転地治療?によって、2桁もの長さをどうやら生き延びてきた。
延命措置と割切って、『こうせい省』策定の臨床措置ガイドラインを押付けようとする Dr.を煙に巻き、早々に逃げまくって、全く新しい土俵でのその日暮らしを貫いてきた。
だがしかし、ここに来て。新しい年度代りからいよいよゲノム治療に乗出すとのメディア報道を聴いた。
闇の中の小さな炎のような展望だが。既にして全身ガン・末期症状のワットに果して間に合うかどうか?おそらくダメだろう
さて、句の中にある”ボタモチとの別れ”とは、更なる食事制限の追い打ちを始めたことを意味する。
主目的は精神的な修養には全くない。
レッキとした医学的根拠に立った自発的な食事の方策である。
世に言う「糖質制限の食事」である。
甘いものは、幼少時から好きであったが。いまお世話になり始めたDr.に言わせると、当人以上にガン細胞が欣喜雀躍すると言う。
実を言うと、もっと好きなものがあった。
日本酒だ。
別れてもう久しい。年に2回ほど、それも杯に半分ほどの付合いにおとした。
まだある。   川柳にある。
「目はメガネ 歯は入れ歯にて コト足れど  ・・・・」
・・・・は、映倫カットで伏せ字にされる箇所である。
ずばり男性能力の発揮がテーマであろう。
前立腺は、膀胱やピストルと一体で、個体維持や種族維持の複数機能を果すらしいが。ワットの場合、外見は別にして、もうこの10年超遥かに生殖機能は停止した。
いまや”・・・・”は、遥か恩讐の彼方である。
困ったことはないか?と、尋ねられると。
ウンあるなあ!
若い娘の顔と名前が一致しない。不便と言えば、不便ではある