泉流No.81 春の雨

* 春の雨  雲海霧中  夢の中
〔駄足〕 この2・3日は、雨と晴れとが1日おきにやって来ている。
23日はやや強い雨だったが、ほぼ1日かかってかなりの雪を解かした。
それを句にしてみた。雪を解かす力は、太陽よりも雨、新しい発見だった。
車で家を発った朝の景色、当地加賀平野穀倉世界は、ほぼ白かった。人家を抜けて、田んぼの中の道路を走っていると、周りから盛んに湯気みたいなものが立上がり、視界が驚くほど利かなかった。
体験に無い景色だ。まるで、雲の中か霧の中に、立ちすくみたいような、スチームサウナ気分であった。
霧の出どころは、田んぼ一面の雪の原の上面。
朝の大気はもちろん肌寒かったが、雨と雪とでは、相当に雨の方が暖かいのであろうか?
雑用を済ませて、夕方近く帰路に就いた。家に向う道すがらの田んぼの雪は、綺麗サッパリ消えていた。
不思議に出逢った。
にもかかわらず、家のすぐ前の田んぼだけは、まだ、ただ白い。
〔駄足〕 今朝も早めに家を出た。途中、宅配会社の出先営業所に立寄り、荷物を1個託した。
鏡の中のアリスト?を見た。
9時半、土曜日のせいか?受付に爺様が一人居た。
いつもの受付嬢が居ない。
自宅のごく近くにスーパーやコンビニが多々ある。でも素通りして、やや遠目の全国展開・業界大手の営業所に直接持込む。そこは荷物に貼付ける送付状は、手書きでなくコンピュータ端末で印刷するので結局、手間なし・待ち時間が短いのだ。それに着眼して、マイカーを転がして、持込するのだ。
だが、この日の受付は、老齢基礎年金の受給条件を満たしていそうな、即ち筆者をそのまま鏡に映したような爺様だ。やはり端末操作が、全く不慣れだった。
結論を急ごう。荷物とプリペイドカードを爺様係員に託して、速やかにその場を離れた。
その日の要件を済ませてから、午後もう一度再訪問して、処理済みを確認した。爺様係員は居なかった。
これで一件落着だが、実はこれからが本論である。
事件報道的に言えば、企業サイドの職員訓練不足もしくは不熟練者に対するバックアップ体制の欠陥もしくはサービス精神の不足とも言うべき企業体質を糾弾さるべし。となるのだが、、、、
鏡の中のこっち側のアリストとしては、以上のことは、あまりに月並過ぎる。
本質は別にあると思いたい。
朝の爺様係員に対して何ら咎めだてはしなかったし、午後再訪時応対の受付嬢=遅刻出勤の当人かも?=は、ひたすら謝ったが、聞き流しつつ速やかに退いた。
飛躍だが、フクシマ原発も、同じ構図だ。
真の原因はコンピュータの方にある。
もっと突っ込めば、システム開発要員が、現場も知らないし、人間無理解なのだ。
なんせ人はこうだ。すべからく、人は勘違いしたり、ど忘れしたり、誤操作したりする存在だ。しかも、自ら冒した過ちを客観的に発見する立場にない存在だ。
だからこそ、コンピュータを開発する時は、あえて時間がかかっても、対話型にして、ワン・ステップ毎に進行状況を説明するような。
名付けて自己紹介型コンピュータ・システムをこそ、雇い主は提供すべきなのである。
3.11以後、行政府がリードすべき課題は、経済効率一辺倒の社会ガヴァナンスに立つ既成のコンピュータ運営思想を捨て去り、人間中心の思想に回帰する新しいヴァナンスに立つ、システム開発を奨励する措置を講ずるべきである。