サイト君 第2話

サイト君はどこにも居るような人物だ。格別に目立つ風貌でもないし、話し方が少し古めかしくて、ぎこちないくらいで、アトは要するに取り柄がない感じだ。
ただ、少し付合って来たので、彼の発言の数々を憶い出してみると、あることに気がつくのであった。
それは、一口で述べられるヴォリュームでは到底ないからおいおい話すつもりだ。
彼が時々話す面白いメゲーヌ国の話は、彼がその昔訪問して、暫らく滞在した国だそうだが、その国がどこにあって、どう行ってどう帰ったのかについては、何度問いただしてもよどみなく説明するが理解不能なのだ。
あまりに足元の国民性に似ているので、メゲーヌ国とは、東アジア西太平洋のカナメ石と言われる”あの列島”のことでないのかと、念押しする。毎回殆どぼかされてしまうのだ。
ただ、彼の時空間軸はとても特殊であって、発想が異色なのだ。
それでサイト君は足元の国民ではないものと決めつけているのだが、、、、
そのエヴィデンスを一つ。
何事も一つの結論なり決着なりに落し込まないと気が済まない、この足元の国民が等しく戴く検定教科書風の固有の歴史観に関する知識をサイト君は全く欠いている。その囚われない生き方・考え方を見ているから、彼の事をサンク国人と決めつけているが、異邦人とする見方はほぼ間違いないであろうと想っている。
今日はここまでとします